ヒューマンドキュメンタリー映画:伊勢真一監督作品 『奈緒ちゃん』2024年4月29日(月・祝日)、室積にて上映
場所:海商通り/喫茶はらだ終了いたしました。ご参加頂きました皆様有難うございました。
開催の様子
日時arrow_forward_ios
2024.4.29(月・祝)
会場arrow_forward_ios
"喫茶はらだopen_in_new" 山口県光市室積3-3-15
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上映時間arrow_forward_ios
午前:10:00~11:40(開場9:30~)
午後:14:00~15:40(開場13:30~)
※各上映終了後、伊勢 真一監督のトークショーを予定
※トークショーは30分程度を予定しております。
参加費arrow_forward_ios
1名1,000円(各回:定員30名)
※お支払いは当日受付にて(現金のみ)
主催:むろずみ空想計画舎
後援:光市教育委員会・光市社会福祉協議会
『奈緒ちゃん』作品紹介
てんかんと知的障がいをもつ少女・奈緒ちゃんの、8歳から成人式までの12年間を追ったヒューマンドキュメンタリー。障がいのある子を持つ家族の日常を、淡々と、そして静かに見つめ続け、映画は“しあわせ”について問いかける。
奈緒ちゃんの撮影は40年以上撮影され続けて今年春5作目を発表予定。(作品の詳細はこちら↓)
監督:伊勢真一
1949年東京生まれ。日常をふんわりと映し出す映像の中に、生きることの素晴らしさが込められた独特の作風で知られる。主な長編作品に、『奈緒ちゃん』(95)、『ルーペ』(96)( 日本映画ペンクラブ記録映画グランプリ
、キネマ旬報文化映画ベストテン第3位)、『えんとこ』 (99)等、長年にわたり数多くのヒューマンドキュメンタリーを自主製作、自主上映で作り続けている。近作は『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤 滋』(19) で毎日映画コンクール・ドキュメンタリー賞、文化映画賞を受賞した。
伊勢監督のその他の作品はこちらから https://isefilm-movie.jimdofree.com/
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主催より
この度、色々なご縁が重なり、『奈緒ちゃん』の上映、および伊勢監督に光市へお越しいただけることとなりました。
伊勢監督は、全国各地域で上映会をされている中、山口情報芸術センター[YCAM]open_in_newでも何度も上映、トークショーをされております。
トークショーでは質問コーナーを設けてくださいます。令和2年度も、文部省映画賞を受賞し、奈緒ちゃんシリーズも数々の賞を受賞されている伊勢監督に直接お話が聞けますので、大人だけでなく、学生たちにも、是非観に来ていただけると嬉しいなと思っております。
上映会の収益は、今も作り続けている、奈緒ちゃんシリーズの映画制作や、障害者への理解が深まる活動に使わさせていただきます。(奈緒ちゃんシリーズは今年春5作目新作発表とのこと)
自主上映という初めての試みに、不慣れなこともありますが、応援頂けますと幸いです。
むろずみ空想計画舎
Introduction 伊勢真一のつぶやき(1995年)※いせフィルムwebサイトより引用
「姉に長女が生まれた。しかし、普通ではない、何かの病気のようだ」と知ったのは、記録映画の編集者だった父、伊勢長之助が亡くなった年、今から20年前のこと。姉の長女、奈緒ちゃんの病気がてんかん(※)で、知的障がいをともなっているとわかったのは、それからさらに数年後でした。ドキュメンタリーの仕事を始めて、父にかかわりのあるスタッフとめぐりあい仕事を共にするようになった頃、奈緒ちゃんはすでに小学生になっていました。奈緒ちゃんの映画を撮りたいとの願いに、一も二もなく応じてくれたのは、父の親友だったカメラマンの瀬川順一氏、父とは師弟関係にあった音楽・音響構成の木村勝英氏、編集の熱海鋼一氏でした。
クランクインは1983年1月3日。8才になった奈緒ちゃんのお正月の初詣のシーンでした。フィルムが買えず、つきあいのあるプロダクションから古いフィルムを譲り受け、みんな手弁当での協力に、奈緒ちゃんのお父さんは「なんで、一銭にもならないことにあんなに夢中になれるのか。映画づくりにかかわる人達の気持ちは理解できない」とさかんに首をかしげていました。いわゆる福祉映画にするのはやめよう。そのために、奈緒ちゃんとその家族の普通の日々をしっかり視すえてゆこう、と奈緒ちゃんのもとへ通い続けました。
てんかんという病気には発作がともないます。奈緒ちゃんが多い日には2度、3度と起こしていた発作を撮影すべきかどうか・・・。スタッフの結論は、撮らない、ということでした。この映画の狙いはそこではない。発作を描けばインパクトも強く、病気に対する理解も得やすいかもしれないが奈緒ちゃんのその姿を見せ物にするのは忍びない。しかし、それぞれのスタッフの心の中には、事実から目を離してはいけないというプロのドキュメンタリースタッフとしての想いもありました。そんな想いを知ってか知らずか、12年間の撮影中、不思議なことに奈緒ちゃんは一度もスタッフの前で発作を起こしませんでした。
このフィルムには「しあわせ」が写っているとつぶやいたのは、大ベテランのカメラマン、瀬川さん。「しあわせ」という言葉がなぜだかとてもなつかしく、新鮮な響きに聞こえたのを今でも忘れません。
<しあわせ、家族のしあわせ>
12年の歳月が流れて奈緒ちゃんは20歳に、お母さんは地域作業所のリーダーに、お父さんは会社や地域の要職に、弟の記一君はJリーグをめざす高校生に成長し、奇しくも父の23回忌にあたる今年、映画は完成しました。映画『奈緒ちゃん』はこれから、作品としてひとり歩きしてゆきます。多くの人に見守られることを祈るばかりです。
(※)てんかんとは、それまで何のかかわりもない人が突然発作を起こし、しかもその発作を繰り返す、大脳の慢性の病気のことです。現在、てんかん発作のほとんどは薬で抑えることができるようになりました。しかし、てんかんに対する恐れと誤解はまだまだ強く、就職、結婚などの際に差別を強いられることも多く、患者やその家族が病気をひた隠しにする傾向があると言われています。国際てんかん協会の試算によると、現在、世界には人口のおよそ1パーセントのてんかん患者がいます。日本では、およそ100万人の患者がいるにもかかわらず、まだまだ社会的には知られることの少ない病気です。主人公の奈緒ちゃんは、続発性全汎てんかんのひとつであるレノックス症候群とよばれる重度のてんかんをもち、知的障がいも併せもつ重複障がい者です。
出演:奈緒ちゃん(西村奈緒) お母さん(西村信子) お父さん(西村大乗) 弟(西村記一) 奈緒ちゃんの友人たち/演出:伊勢真一/撮影:瀬川順一/音響構成:木村勝英 伊藤幸毅/編集:熱海鋼一/語り:伊藤惣一/製作:大槻秀子/製作:奈緒ちゃん製作委員会 デコ企画/協力:社団法人日本てんかん協会 横浜市立上飯田小学校 横浜市立上飯田幼稚園 地域作業所ぴぐれっと 向ヶ原地区のみなさん